地球上の95%を占めるといわれている深海。深海とは水深200m以下の海の事を指します。200mを超えると、海は途端に表情を変え、低水温、高水圧、暗黒、光が届かないため植物が光合成出来ず、低酸素の世界が広がります。
現代に至ってもその殆どが未踏でわからないことばかりで、謎に包まれています。
そんな極限環境を生き抜く、少し怖くて芸術的な深海魚。厳しい環境に対応する為に見た目にはとてもインパクトのある姿に進化を遂げています。
深海魚とは
水深200mよりも深い深海に住む魚類の総称を、深海魚といいます。
厳しい深海で生きていく為、多種多様な姿に進化を遂げ、浅海に住む魚とはまるで違う姿をしています。その進化を遂げた芸術的な姿は、沢山の人を魅了し心を掴んでいます。
なぜ彼らは、生き物であるのに高水圧の環境で生きていけるのでしょうか。
体の中にある空気の入った浮き袋を使い、海の中を浮いたり、沈んだりすることで高水圧に耐えています。
この浮き袋は、水圧の高い深海では命取りです。
深海を生きる魚たちは、空気の入る浮き袋ではなく、筋力に脂肪を蓄えて浮力を得ています。
ですので、深海魚はとっても脂がのっています。
見た目にはとても美味しそうな味は想像しにくいですよね。(笑)
でも実はとっても美味しくて、皆さんがいつも食べているお魚の中にも深海魚がいるんです!
食べられる美味しい深海魚5選
深海魚は、ほとんど食べることができますが、その中でも今日は特に美味しい深海魚を紹介していきます。
金目鯛
鯛の仲間だと思われがちな金目鯛。
実は深海魚なのです!
脂ののりは、深海魚の中でもトップクラスで、高級魚として流通しています。
金目鯛といえば真っ赤な体色が目を引きます。その濃朱赤色から祝い魚として有名ですが、赤い色には理由があります。
太陽光の入らない深海では、敵から身を隠す為に光が反射しにくい赤が一番見えづらいのです。
また、少ない貴重な光をキャッチするためのガラス玉の様に大きな目も特徴のひとつです。
しかし、体の中に微量の水銀が含まれていますので、少し食べるのには問題はないですが、妊婦さんは大量に食べるのは避けた方がいいと言われています。
桜えび
駿河湾名物の桜海老。
台湾でも採れますが、味も色も駿河湾産の方がはるかに長けているそうです。
冬だけ深海で生息し、その美しさから「うみの宝石」といわれています。
キアンコウ
その肝は「海のフォアグラ」とも呼ばれ、あん肝ポン酢でも、あんこう鍋でもとっても美味しいです。
見た目にはグロテスクですが、身も皮も捨てるところがないとても美味しい魚です。
ホタルイカ
光ることによって、深海に差し込む太陽光に擬態するため「深海の青い宝石」と愛でられています。
昼夜問わず光るので昼間は見つけにくいですが、夜はとっても目立つ、少しお茶目な深海魚です。
漫画「美味しんぼ」では生のホタルイカを踊り食いして美味しい描写がされていますが、寄生虫がいます。生で食べるには厚生労働省指定の適切な処理が必要ですので注意してください。
どんこ
よく川で見るハゼのような魚で、鱈の仲間です。
ちなみに鱈も銀鱈も深海魚です。
黒い見た目で表面がぬるぬるしており、ついリリースしたくなりますがとっても美味しいんです。
食べられない深海魚
今回紹介するのは、バラムツです。
決して食べられないわけではないのですが、食品衛生法で毒魚扱いされ販売禁止となっているバラムツ。
その理由は、深海魚特有の脂。バラムツの脂は人間には消化できないんです。
食べるとそのまま、お尻から排出されます。自分の意思とは反してでてくるので、翌日朝布団が濡れていた、、、なんてこともあるのです。
食べ過ぎると、皮膚から滲み出る「皮脂漏症」を引き起こします。
そんなバラムツですが、全身大トロと揶揄されるほどの、マグロの様な味なのです。
しですから、食用ではなく、釣り人にはゲームフィッシュとして親しまれています。
深海魚のことをもっと知れる!人気おすすめ5選
図鑑の王道学研の深海魚図鑑
3歳から小学生に向けた図鑑の王道である学研から出されたこちらの図鑑は、ドキュメンタリー映像DVDから、現代の子供達に合わせたスマートフォンで見られるARと動画も収録。
豊富な図鑑の内容から、子供達が興味を持って自然、科学を学び新たな発見や考えをするために良い教材だと言えるでしょう。
深海生物について知れる一冊
1996年に児童小説最優秀賞を受賞した筆者の佐藤孝子さんの分かりやすい解説と、美しい写真と精巧なCGが魅了の一冊です。
子ども向けではないので、深海生物検定の勉強用としても、美しい図鑑としてもぴったりです。
内容も多く濃く、マイナーだけど面白い深海生物を、生息深度ごとにまとめてあり、読み応えもばっちりです。
静岡県沼津市にある世界にたった一つの深海水族館をご覧あれ。
太陽の光が全く届かない、真っ暗闇の世界。そんな未知の世界をあなたは知っているだろうか。
深海生物とシーラカンスがテーマの「沼津深海博物館」は100種類、3000匹の深海魚を飼育しているユニークな水族感です。
ただの魚の図鑑ではなく、詳細なデータや毎日深海魚を育てている飼育員の奮闘記まで濃い内容が収録されています。
毎日カレンダーを見ながら深海魚を深く知れる!
カレンダーと甘く見てはいけません。本屋で見つけてしまったら深海魚ファンなら一目惚れしてしまう一冊です。
藤原義弘、土田真司、ドゥーグルリンズィーという、深海生物学者3人の合作です。
このカレンダーの凄いところは、研究者自らが、船上や研究室で生きたままの姿を撮影しているので(一部水族館で撮影)写真に写る深海生物が、生き生きしています。
標本では決して見ることのできない姿を、解説付きで見ることができます。
また、採集した日、調査船、調査機器、生物の大きさ、調査場所など細かい詳細までしっかり記載されています。
深海魚ファンにはたまらないですね。
平面では感じれない立体的な深海魚を再現!
カロラータは定規や、シャープペンなどの文具やチョコをたくさん出しているメーカーです。
軟体動物や甲殻類ものっているのでその道のファンは買うしかないですね。また親切にスタンドや解説書もついています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
まだまだ未知の世界が広がる深海魚。
その神秘的な姿は、調べれば調べるほど、魅力がいっぱいです。
深海魚は多種多様、その素晴らしい生態はここでお伝えできることには限度があります。
ぜひフルカラーの本で、深海生物の魅力を感じて頂きたいです。
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